弦楽器フェア2005 Part3
さて今日も弦楽器フェアの話題です。
新作には、いかにも作りたてといったピカピカの光沢仕上げのものと、オールド楽器風のアンティーク処理を施した仕上げのものがあります。みなさんはどちらがお好きですか?
イタリア新作や国内の製作者の多くはピカピカ仕上げですね。正統派とでもいうんでしょうか、ごまかしがきかない仕上げには非常に好感が持てます。
でも僕が好きなのはアンティーク処理をしたオールド風楽器の方だったりします。もちろん見た目だけが古いだけで音がオールドなわけではないですが、やはり楽器のケースを開けたとき、楽器を弾いているとき、ステージ上で見たときにアンティーク処理をした楽器の方が自然に見えてしまうんですよね。もちろんそれだけではなく、オールド楽器へのあこがれというのもありますけどね(笑)。
そういえばアンティーク処理の効果でこんな話を聞いたことがあります。今やオールドはもちろん、モダンでも良いものは1000万円以上してしまうので、そんな楽器は欲しいと思ってもなかなか手が出ません。かといってピカピカの新作を持って行くと、良いオールドやモダンを持っている演奏家仲間から「なんだ新作か・・」とナメられてしまうそうです。
良い楽器を持っていることがステータスなんていうことはおかしな話ですが、アンティーク処理をされた楽器だと専門家でもない限りパッと見ではどんな楽器かわからないということがあるというのはそういう意味では良いみたいですね。一目置かれるような人(プロオケのコンマスなど)がピカピカの新作を持って行くとそれはそれでかっこいいと思われるのが面白いところですけどね(笑)。
そうそう、弦楽器フェアで気になったのが、せっかく楽器にアンティーク処理で風格を漂わせていても、見るからに白木のような駒がたててあるものはなんだかもったいないですね。駒は確かに楽器の価値には関係ない付属品ですが、やっぱりアンティーク風楽器に白木は浮きますよね(笑)。まあ音にこだわる製作者さんだったら白木はあり得ないわけですが、それは別にしてもオールド風楽器には古い(もしくは古く見える)駒がお似合いだと思います。
ということでアンティーク処理をした楽器が好きなわけですが、一つ気になるのは、今ある200年前の楽器というのは200年前にピカピカに作られた楽器が自然の経年変化でそれなりの風格を得ています。しかし、200年前の風格をアンティーク処理によって持たせた新作楽器は、100年後にどうなるのでしょう? 足し算で300年の風格が出るのか、それとも200年の風格と100年の風格を併せ持つ楽器になるのか??
それと肩ニスなど、数年ごとに塗り直しをするような場所までアンティーク処理でニスを薄くしてある楽器などがありますが、そこってせっかく薄くしてもそのうち上から塗り直ししてしまうと思いますし、しかもニスが薄くなっているので最初の塗り直しまでの期間が短くなってしまうだけのような気がするのは、気がするだけでしょうか??
っと少し気になることがあるとはいえ、やっぱり新作楽器はアンティーク仕上げのものが好きです。きっと少数派なんでしょうけど・・(笑)。
コメント(2)
コメントする
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 弦楽器フェア2005 Part3
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://masagtir.com/mt/mt-tb.cgi/629
コメント(2)
見た目の問題、好みの問題、色々あるにせよ、
なぜわざわざ古くみせようとするのか。
私には少々理解しがたい部分があります。
わからなくはないですが。
ジーパンの色をわざと落としたり、すりきれさせたりするのと似ていますね。
小学6年生の女の子。少女らしいままがよいか、キレイにメイクして大人の女性っぽいのがいいか。(極論?)
「時間をかけて」をいやがり、その先に行きたがる傾向があるのかな。私はチーズやワインのようにゆっくり熟成したいものです。はい。あー、でもまもなくボジョレー解禁。ま、美味しければ問題ないか。
ユーザーの立場はともかく製作者の立場からすると、300年前に作られた最高の楽器であるストラドのような音、構造、風格を今作っている自分の楽器で再現したい、というのもあるでしょうね。
あと楽器の世界では古さというものが絶対的な価値を示すものであるというのも一つの理由かもしれません。だったらちゃんとした本物を、と思いますが、チーズやワインならまだしも本物のオールド名器を手に入れようと思ったら数千万~数億出すか、もしくは300年生きのびなければなりませんからねぇ(笑)。
かくいう僕も、数万円のジーパンのヴィンテージ仕上げとかが理解出来ない人だったりします。だって楽器は古さが絶対的な価値を示すものだけど、ジーパンはそうでないような・・。古いのが良かったら自分で履き続けばいいじゃん、みたいな。300年かかるわけじゃないんだし・・。
ま、ファッションセンスの全くない僕がジーパンについて語っても説得力がありませんけどね(笑)。
見た目の問題、好みの問題、色々あるにせよ、
なぜわざわざ古くみせようとするのか。
私には少々理解しがたい部分があります。
わからなくはないですが。
ジーパンの色をわざと落としたり、すりきれさせたりするのと似ていますね。
小学6年生の女の子。少女らしいままがよいか、キレイにメイクして大人の女性っぽいのがいいか。(極論?)
「時間をかけて」をいやがり、その先に行きたがる傾向があるのかな。私はチーズやワインのようにゆっくり熟成したいものです。はい。あー、でもまもなくボジョレー解禁。ま、美味しければ問題ないか。
ユーザーの立場はともかく製作者の立場からすると、300年前に作られた最高の楽器であるストラドのような音、構造、風格を今作っている自分の楽器で再現したい、というのもあるでしょうね。
あと楽器の世界では古さというものが絶対的な価値を示すものであるというのも一つの理由かもしれません。だったらちゃんとした本物を、と思いますが、チーズやワインならまだしも本物のオールド名器を手に入れようと思ったら数千万~数億出すか、もしくは300年生きのびなければなりませんからねぇ(笑)。
かくいう僕も、数万円のジーパンのヴィンテージ仕上げとかが理解出来ない人だったりします。だって楽器は古さが絶対的な価値を示すものだけど、ジーパンはそうでないような・・。古いのが良かったら自分で履き続けばいいじゃん、みたいな。300年かかるわけじゃないんだし・・。
ま、ファッションセンスの全くない僕がジーパンについて語っても説得力がありませんけどね(笑)。