F1ブラジルGP #1 シューマッハ ラストラン
2006年のF1最終戦ブラジルGPが閉幕し、それとともに15年間戦い続けたミハエルのF1も幕を閉じました。
鈴鹿に続き今回のミハエルは予選で燃圧系トラブル、決勝ではタイヤのパンクという不運続きでしたが、素晴らしい走りを見せてくれました。前が空く度に猛烈なプッシュでファステストを更新しながら前の車との差を一気に詰め、果敢にオーバーテイクしてはまた猛然とプッシュ。
時には攻めすぎてタイムロスしながらも全ラップを予選のように激しく攻め立てる走りは、若き日のミハエルを思い起こさせました。多少のミスはもろともせずに誰も手の付けられない速さ、目を疑うような異次元の走り・・。
予選のコースレコード、決勝ではラスト2周でのファステスト、全セクタータイム、セクタースピードの全てのトップを総なめにし、まさに史上最強、100年に一人と現れないであろう天才ミハエル・シューマッハとはこういうものだと強烈に印象づけられるラストランでした。
マッサの優勝は見事でしたが、上位陣は皆守りの走りであまり見るべきところがありませんでした。そんな中、ミハエルの走り、そして3位まで追い上げたバトンの走りは観客を大いに楽しませたことでしょう。
ミハエルはF1に乗る前から知っていましたが、本当に偉大なドライバーだと思います。レースにかける執念などから他のドライバーやメディアからいろいろ言われることもありますが、ミハエルの成し得たことは歴史に残る偉業ですし、誰も到達できない地位を築いたのは紛れもない事実です。
それと長年ミハエルを見ている者なら、ミハエルは決して精密機械ではなく、非常に人間的なドライバーだったということも気づきます。プレッシャーがかかればミスをし、集中力が頂点に高まったときは誰も比較にならないほどのドライビングを見せ、優勝すれば子供のように飛び上がって喜ぶ。そして常にチームに対し求心力を発揮し、自らの力でチームを強くしてチャンピオンを獲得する。そして成し得た結果が7回のワールドチャンピオン、91勝・・・。本当に素晴らしいです。
そして僕にとってなによりも素晴らしいことは、ミハエルが無事にそのキャリアを終えることが出来たということです。
アイルトン・セナは志半ばでレース人生と生涯を閉じることになりましたが、それまでのレースでのいろいろな出来事やそのあまりに悲劇的な結末が神格化されてしまっている部分もあります。なぜあのセナなのか、いやセナは神の領域に足を踏み入れてしまった・・などと。
もしかしたらセナが事故に遭わずにいたら今ほどの伝説とはなっていなかったかもしれないという見方もあります。でもそうでもあってもやはりセナには生きていて欲しかった。
僕だけかもしれませんが、ミハエルほどのドライバーには何かが起きてしまうんではないかという恐怖が常にありました。そういうこともあり、無事に引退を迎えられたことを本当に嬉しく思います。15年間世界で最も速くサーキットを駆け抜けた男が、無事にそのキャリアを終える、それはミハエルのファンとしては彼が伝説になることより何よりも嬉しいことです。
そしてもちろん、ミハエルのF1キャリアの全てを見守ることの出来た幸運にも感謝したいと思います。
来年のオーストラリア、ミハエルのいないF1で誰を応援したら良いのでしょうかね・・・。もちろん琢磨&スーパーアグリは必須ですが(笑)。
琢磨といえば今回のミハエルラストランの裏でのもう一人の主役でした。これは書かずにはいられません。
(続く)
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