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コバケンとその仲間たちオーケストラ2007福島 その3

さて本番。ステージに向かう少し前、控え室にいるオケメンバーに「当日券も完売で客席は満席です。立ち見が出るかもしれません」とのアナウンスが。「おー!」という声や拍手と共にメンバーのボルテージが上がります(笑)。

また、直前まで必死に練習を続ける合唱団とその指導をしていた方々の熱意がマエストロに伝わり、予定していた全ての曲目が無事にプログラムに加わることになりました。そういう話もまた演奏者やスタッフを燃え上がらせます。

ステージに上がると会場は超満員。前の方には車椅子の方も結構聴きにいらしていて、なかなか普段コンサートなどには行けず、もしかしたらこういうのを聴くのは初めての方もいらっしゃるのかな、なんて考えたりしているとさらに燃えてきます。

しかし一番燃えていたのはやはりコバケン先生でしたね。フィンランディアの出だしからまさに「炎のコバケン」でした。

でもそのコバケン先生のすごさは指揮だけにとどまらず、楽しいトークで会場を沸かせ、オケのメンバーに光を当て、息をのむようなピアノソロを弾き、もうとにかくすごいとしか言いようがありませんでした。練習の時もすごい方だなと思いましたが、スポットライトが当たっている時はさらに輝きが増していきます。世界的指揮者である小林研一郎氏がなぜ世界的指揮者であるのかということを改めて実感させられました。

トゥーランドットでは佐々木さんの美しいトランペットが印象的でした。荒川静香選手が金メダルを取った時のこの曲、自分が歌いすぎないようにするのが難しいくらいいい曲なんですよね。

そしてヴァイオリン弾きにとってはなんといっても瀬崎明日香さんのツィゴネルワイゼン。少し前に川口で聴いたシベリウスのコンチェルトも素晴らしかったのですが、熱いエネルギーで歌い上げるテーマ、哀愁を漂わせるピアニッシモ、そして伴奏がついていくのが大変なくらいな猛烈なスピードで超絶技巧のパッセージを弾き飛ばす。ここまで刺激的なツィゴイネルワイゼンを生で聴くチャンスなんて滅多にありません。客席で聴きたかった!!

アンコールは特に用意してあったわけではなかったようで、ツィゴイネルワイゼンのフィナーレを再度アンコールで演奏しました。個人的には瀬崎さんの無伴奏が聴きたかったです。自分も弾いていると聴いている余裕がないですから・・(笑)。

シベリウスを聴いたときに是非自分の楽器を瀬崎さんに弾いてもらいたいなと思っていたのですが、今回の本番前に少し弾いていただきました。僕の楽器は全体的にまだ鳴りきっていないというのと、E線が固い感じがするのが気になっていたのですが、瀬崎さんに弾いていただくとこれが良く鳴る!(笑) 健康的な音で結構鳴るとのことでしたが、いろいろな音、特にヴィブラートをいろいろ変化させて弾き込んであげるといいかもしれませんね、とのことでした。目の前でそういいながら弾いてくださったのですが、その鳴らし方とヴィブラートがすごい! 久しぶりに目の前でソリストの音を聴き、自分の楽器からあんな音が出るんだと感動しました。直前に陳さんに調整してもらってすごくいい感じにはなっていましたが、それも確認できたし、弾いてもらって本当によかった!(笑)。

E線はやはり固くて耳に来る感じがあるので、テンションの低い弦を試してみてはとのことでした。自分でもそうは思ってましたが、ソリストでもそう感じるのですからやはりそうなんでしょうね。普段ストラドを慣らしきっているソリストの言葉ですから、非常に説得力があります。

瀬崎さんですが、つい先日CDをリリースしました。イザイの無伴奏ヴァイオリンソナタ集です。ちなみにデビューはパガニーニのカプリース全曲演奏会だったそうで・・・ただただ脱帽です。

イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ op. 27
瀬崎明日香:イザイ 無伴奏ヴァイオリンソナタ op.27

さてピアノコンチェルトや歌では一部降り番だったため、袖で聴いてました。ソプラノの池田理代子さんは漫画「ベルサイユのばら」の作者でいらっしゃいますが、師匠であるコバケン先生との息もぴったりで、とても楽しそうに歌っていらっしゃったのが印象的でした。

モルダウは本番が一番熱かったですね。練習よりもさらにテンポもあがり急流のあたりで弾ききれない部分もありましたが、可能な限り頑張って弾きました。音楽の流れはコバケン先生ならではですね。そのセンス、音楽性に弾きながら感激しました。熊本のCDで皆が生き生きと演奏しているのを聴いてみんな凄いなと思っていましたが、あの指揮で弾いたら生き生きと演奏しないことの方が難しいくらいです。コバケンワールドとでもいうのでしょうか。

1812は良かったですね。フィナーレでは吹奏楽バンダとして地元の成蹊高校のブラスバンドが加わりましたが、GPではなかなかオケとの息が合わず本番が心配でした。しかしオケのメンバーもよく吹奏楽を聴けるようになっていき、本番が一番良い出来でした。僕自身としても1812は今回初めてで、しかも曲を余りよく知らずちゃんと録音などを聴いたのも数日前。公開リハのときはまだ譜読みも完全でなかったのですが、練習を重ねるに従って曲がわかるようになり、本番ではベストの演奏が出来たように思います。ちょっとやっちまったところもありましたが(笑)。

公開リハ~GP~本番と変化していくコバケン先生の音楽についていくのは大変でしたが、楽しかったです。

演奏後はブラボーという声とともにスタンディングオベーションの嵐!! 観客の半分以上が立ち上がるスタンディングオベーションは初めてだったので、それはもう凄かったです。

アンコールでは地元の蓬莱中学校の学生さんたちが弦楽器やパーカッションに加わり、コバケン先生のパッサカリア「夏祭り」を演奏しました。福島では中学校の多くにオーケストラがあるという、なんとも他県から見たらうらやましい音楽環境ですが、今回参加の子たちはみな優秀で「夏祭り」を暗譜で弾いていました。我々オケメンバーが楽譜にかじりついていたのと対照的でした(笑)。

最後はマエストロと共にオケ全員で客席の様々な方向に向かって礼をし、終演となりました。

レセプションも盛り上がり、今回参加した方、協力された方などのいろいろなお話しが聞けて楽しかったです。

終演後のレセプション

コンサート、そしてレセプションが盛り上がったためか時間が押してしまい、帰りのバスの池袋着が終電ギリギリで心配しましたが、遅く出発した2号車に乗っていた僕たちも23時半くらいには池袋に到着し、無事に家までたどり着けました。

急な参加だったので最初はどうなるかと思いましたが、このような楽しいコンサートに参加できて非常に有意義な時間を過ごすことが出来ました。企画運営されている方、ボランティアでお手伝いをされている方、演奏メンバーとして一緒に参加した方、そして今回声をかけて下さった妻のご友人、多くの方に感謝しています。ありがとうございました。

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