F1ハンガリーGP、琢磨粘りの15位完走
ハンガリーGPで琢磨は堅実なレースを見せ、15位フィニッシュを果たしました。
フリー走行からの流れはややデヴィッドソン寄りでしたが、全体的にはそれほど悪くはありませんでした。
金曜日午前 FP1
No.22 1:25.307(琢磨-19位)
No.23 1:24.102(デヴィッドソン-11位)
金曜日午後 FP2
No.22 1:22.556(琢磨-17位)
No.23 1:22.510(デヴィッドソン-15位)
土曜日午前 FP3
No.22 1:21.839(琢磨-15位)
No.23 1:21.501(デヴィッドソン-11位)
しかし予選では琢磨とデヴィッドソンで大きく明暗を分ける結果に。
予選 Q1
No.22 1:22.143(琢磨-19位)
No.23 1:21.018(デヴィッドソン-12位)
予選 Q2
No.23 1:21.127(デヴィッドソン-15位)
琢磨の最初のアタックはソフトタイヤで、チェックランを行い、デヴィッドソンはスーパーソフトでタイムアタック。当然琢磨のタイムは悪くデヴィッドソンは良かったのですが、ここで琢磨に不運が。1回目のアタック後にFIAの抜き打ち計量が入り、しかもそれが異常に時間がかかり、結局スーパーソフトでのアタックは1回のみ。最終コーナーで膨らみタイムロスし、無念の予選19番手。
デヴィッドソンは堅実にアタックを行い、見事Q1通過。しかし残念ながらQ2の熾烈な争いの中では15位を得るのがやっと。今のチーム力ではこれが限界かもしれません。
さて決勝。琢磨は良いスタートを決めて数台をパス、マッサのミスを見逃さずに前に出て一気にポジションアップ。デヴィッドソンも好スタートでポジションアップ。
しばらくそのままで争いを続け、2台とも非常に長い第1スティントで引っ張るものの、さらに引っ張ったマッサに琢磨が交わされポジションダウン。
琢磨はペースが上がらずブルツを追い切れず。デヴィッドソンはピットアウトしてきたフィジケラと絡み、サスペンションを壊して残念ながらリタイヤ。今回も不運がデヴィッドソンを襲う。
タイヤをスーパーソフトに換えた第3スティントになると琢磨のマシンバランスが良くなったのかペースアップ。終盤には1分20秒985という入賞圏のマシンと同格の自己ベストを記録するも、すでに前を走るブルツは遥か前方。結局そのまま争う相手がいないまま15位フィニッシュ。
結果は15位ながら、レースの内容、特にスタート直後と後半の走りは見事で良いレースだったように思います。デヴィッドソンは相変わらずツイていませんが、そのうち良い結果が出ることでしょう。
さてトップ争い。まずは問題となった予選から。
Q2でのマッサの脱落には驚きました。ピットクルーが燃料を入れるのを忘れ、ピットロードをメカニックに押されて戻るというミスがありましたが、その間タイヤウォーマーをかぶせることもなくタイヤの温度が下がってしまい、タイムアタックに影響が出たとのことです。
確かにマッサは冷えたタイヤを暖めるためか、解説の森脇さんに「アウトラップはもう少しゆっくりでも・・」といわれるほど飛ばしていましたが、それでも暖めきれなかったのか、逆にそれが仇となったかはわかりませんが、アタックラップでのマシンの動きはひどいものでした。ステアリングを切っても頭が入らずクリップに付けず、アクセルも全然入れらずに待っているだけのひどいアンダー状態。
Q1でのタイムからしたらちょっと考えられないシーンでした。本当にタイヤだけの問題なのでしょうか?
ポール争いは、Q1から常にハミルトンが他を圧倒していましたが、Q3においてとんでもない事件が。ハミルトンが最後のアタックをしようとピットに戻ってきたところ、先にピットインしていたアロンソがピットに居座り、ハミルトンの作業を遅らせることでタイムアタックをさせないという妨害行為を行ったのです。
実はこれには裏があり、Q3ではマクラーレンの2台のうちアロンソに一周分多く燃料を消費させる作戦だったため、Q3開始直後にハミルトンはアロンソに先行させることになっていたそうです。
もちろんこれはアロンソを優遇する作戦であり、本来マクラーレンではQ2で上位に来た者に作戦の選択権があり自分を有利に出来るという暗黙のルールがあったのにもかかわらず、Q1~Q2でアロンソを圧倒したハミルトンではなくアロンソを優遇。ハミルトンにとってはこれは面白くなかったのでしょう。
ハミルトンはQ3開始直後からアロンソの前に居続け、アロンソを先に行かせませんでした。ただブロックしてアロンソのペースを抑えることはせず、どんどんペースを上げて自分もアロンソと同じようなアドバンテージを得ようとしたのでしょう。
しかしこれが気に入らなかったのがアロンソ担当のレースエンジニアとアロンソ。2回目のピットストップの時、ハミルトンが残り時間ギリギリでピットに戻ってくることがわかっていたのにもかかわらず、コース上に4台しかいない状況で20秒もピットで静止。途中ハミルトンがピット後方に待機していてもロリポップは上がらず。
さらにロリポップが上がりチームがGOのサインを出しても今度はアロンソ自身がさらに10秒ピットで粘り、ようやくピットアウト。
直後にハミルトンはタイヤ交換を行いピットアウトしましたがタイムアタックは間に合わず、最後のアタックでタイム更新したアロンソがポールポジション。
当然この行為は審議対象となり、2台を公平に戦わせないばかりか身内の1台に対して妨害行為をしたマクラーレンはハンガリーGPのコンストラクターズポイント剥奪、同じく故意にハミルトンに対しての妨害行為を行ったアロンソはグリッド5つ降格という裁定が下されました。
処分が下されるのは当然ですが、少し甘い裁定だと思いました。コンストラクターズポイントの件は妥当だと思いますが、アロンソの行為は最後尾スタートが相応だと思ってました。自分のタイムアタックを優先するためにエゴで山本左近をブロックしてしまったフィジケラと、故意に自分より速い相手のタイムアタックを妨害して上位グリッドを得ようという汚い手を使ったアロンソが同じ5グリッド降格処分というのはどうも解せないのです。
まあハミルトンとしてみれば本来手に入れるべきだったポジションを取り戻したので良し、というところでしょうか。
決勝レースはマッサの走りには驚きました。イギリスGPでは最後尾スタートからオーバーテイクショウを魅せましたが、今回は1週目に琢磨に抜かれてから、琢磨に近づくことすら出来ないという状態。その後も全く良いところがなく13位フィニッシュ。
ちょっと考えられない走りでしたが、車載を見ているとまるで昨日のQ2で脱落したときと同じような車の動きでした。グリップが足りず激しくスライドし、ステアリング修正も多かったです。マッサのコメントは「重かった。前を抑えられた。」だそうですが、周りははるかにペースの遅いはずのマシンばかり。アロンソがそれよりも差の小さいBMWなどを序盤にオーバーテイクしていたことを考えると、何かあったとしか思えない走りでした。
ハミルトンはトラブルを抱えつつも完璧なレースで優勝。2位のライコネンに「退屈なレース」と言わせるほど付け入る隙を与えませんでした。ハミルトン得意の激しくスライドさせる走行はあまり見られませんでしたが、コントロールされた完璧なレースでした。
6位のラルフはちょっと惜しかったですね。1回目のピットストップでもう少し燃料を入れてもアロンソの前で戻れたはずで、2回目のピットストップでアロンソに逆転を許すこともなかったかもしれません。ハイドフェルドに抑えられたのももったいなかったかも。ただ、ラルフは最近予選~決勝と非常に良い走りを見せていながらフィニッシュに辿り着いていなかったので、今回の6位フィニッシュはうれしい結果でしょう。
そういえば今回はスパイカーから山本左近が出場しました。FP1の時はどうなってしまうのかと思いましたが、FP3ではスーティルとほぼ同じタイムをマークし、予選でもフィジケラにブロックされながらもスーティルの1秒落ちをマーク。
決勝では残念ながら5周で単独クラッシュしましたが、去年の最終戦では7番手の最速ラップを記録したりと、速いドライバーであることは間違いありません。スーティルが素晴らしすぎるだけに大変だとは思いますが、残りシーズンで良いレースをして来年につなげてもらいたいものです。
さてF1もしばらく夏休み。2週間は一切の開発も禁止されているので、ドライバーもメカニックもスタッフも、しばしの夏休みを楽しめることでしょう。
次戦は3週間後のトルコGP。琢磨、そして左近の走りに注目しています。
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