2005年エリザベートコンクール ガラコンサート その2
録画で続きを観ました。イワノフさんのシベリウス、非常に落ち着いていていい演奏ですね。2楽章などでは音も暖かく深みがあり、「聴かせる音色」が印象的。3楽章も落ち着いていて良い演奏なのですが、やや落ち着きすぎでおとなしくも思えました。
アンコールはバッハでなくイザイの無伴奏ソナタ5番の1楽章。いやいや見事でした。イザイの5番はカヴァコスさんのN響との共演でのアンコールで弾いたものが非常に名演で印象的だったのですが、イワノフさんの演奏もなかなかのものでした。もちろんカヴァコスさんの演奏に匹敵するというわけではありませんが・・。
さて最後は「第1位 セルゲイ・ハチャトゥリアン」。曲はベートーヴェンのコンチェルト。見た目的に合わないんじゃないかと思いましたが、やっぱり合いませんでした(笑)。
おそらくロマン派や近代物を弾いた方がより彼らしさが出たと思いますし、正直音やスタイルはあまりベートーヴェンに合っていないように思いましたが、自分のスタイルを押し通しつつベートーヴェンを聴かせてしまう彼の力は「相性」を通り越してしまうものでした。
技術、表現力共に前の二人と比べても抜きんでており、これならば文句なしの1位でしょう。天性のしなやかで柔軟な体から生み出せる明るくて輝きのある音、技術は素晴らしいものです。
ヴィブラートなどはあまり表現の幅が無くて、2楽章のような場面ではやや持て余し気味で3位のヤッフェさんに似ているのですが、なぜかあまり音に不快感がありませんでした。何が違うのでしょうね。
自分流を貫くスタイルはアンコールにも出ていました。バッハのソナタ2番のアンダンテを弾いたのですが、ベートーヴェンを弾いたときの速くて濃厚なヴィブラートのままバッハを弾いたのです。最近だとメインプログラムでは濃厚な音だった奏者が、アンコールのバッハで突如スイッチを切り替えたかのように、ほとんどヴィブラートをかけずにバロック風に弾く、なんていう姿をよく見ますが、彼は見事なまでに自分流のまま。
ちょっと違和感はありましたが、それでも非常にゆっくりとしたテンポで自分流のバッハを聴かせてくるあたり、さすがですね。感心しました。
今回の1~3位となった奏者、みな素晴らしい演奏でしたが、最後に僕の印象に残ったのは2位のイワノフさんでした。点数では負けていたかもしれませんが、僕はああいう演奏家は好きです。これからの活躍に期待しています。
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