荒川以津美 ヴァイオリンリサイタル
5/18は津田ホールで行われた荒川以津美先生のリサイタルを聴きに行ってきました。
曲目は、バッハの無伴奏パルティータ3番、モーツァルトのソナタK.454、そしてフランクのソナタです。
バッハのパルティータ3番はバッハの無伴奏の中でもフランス色の強い作品ですが、バッハに対しての真摯な音楽性と、踊りを感じさせる節回しが見事にかみ合い、クリスタルガラスを思わせる透明感のある音色に聞き惚れました。
僕は元々大味な演奏よりも繊細で透明感のある演奏が好きですが、考えてみればそれも荒川先生の音を聴いてきたからより一層そう思えるのかもしれません。
モーツァルトでは華やかな大須賀さんのピアノも加わり、ヴァイオリンも解き放たれたように自由に歌い上げていました。演奏者の楽しそうな表情が演奏に現れ、聴いている方も楽しくなりました。至福のひとときとでもいうのでしょうか。モーツァルトが演奏される時は、演奏者も聴衆も幸せを感じることが大切なのかもしれません。
最後のフランクはそれぞれの楽器のソリスティックな部分も加わり、個性の異なるヴァイオリンとピアノそれぞれの持ち味が引き出されていたように感じました。4楽章でもほとばしる情熱のピアノと、情熱の中にも曲全体を見据えた音楽作りをするヴァイオリンとが互いに刺激しあうような印象を受けました。下手に統一してしまうよりもかえって聴き所が増え、聴いていて楽しかったです。
アンコールはイザイの「子供の夢」とクライスラーの「ウィーン小行進曲」。どちらも弾いたことがありますが、荒川先生の演奏はまさにデザートのよう。小細工なしにあそこまで小品を聞かせるというのはなかなか出来るものではありません。
しかし本当にヴァイオリンって音が命ですね。自分の持っている音楽を表現するのに手っ取り早いのはポルタメントなどの小細工を使うことですが、やはりそういったものに頼らず最も説得力を持つものは「音」です。
そして荒川先生の音というものはあこがれであり、まさに自分が目指していく方向であり、自分の辿ってきた歩みを再確認できたような気がしました。
これからも「音」にこだわって演奏をしていきたいと思います。
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