NHKホール「こころコンサート」 その3
さて「こころコンサート」もあと2曲です。
今回のメインともいえるのがチャイコフスキーの荘厳序曲「1812」。実にいろいろな情景が浮かんでくる曲です。弦楽器で急にテンポが上がるところで冷や汗をかきましたが(練習ではなんともなかったのに!)、なんとか切り抜け、そしてバンダによるファンファーレ~エンディング。大きなうねりが曲を最後のユニゾンへ導いていくあたりは何度弾いても感動します。最後はお客さんと一体になって音楽を楽しむことができました。
最後はNHK東京児童合唱団を交えての「世界に一つだけの花」。この合唱の子たちがみんな上手くてびっくり。動きも非常に生き生きとしていて、彼らから大きな元気を頂いたような気がします。
そうそう、演奏が終わり、ステージでは拍手の渦の中、マエストロがメンバーと握手をしてまわられていた時のこと。
マエストロがプルト毎に両手を差し出し、僕とスペシャルメンバーである山崎さんのところにいよいよやってきたときです。山崎さんが譜面台に触れてしまい楽譜を落としそうになってしまいました。ホール中の視線が集まるという緊張に加え、山崎さんは片手に楽器を持っていて、片手だけで必死に楽譜を戻そうとしてもうまくいかず、なかなかマエストロまで手が伸びません。
僕もフォローしてあげたかったのですが、片手はマエストロと握手、片手は楽器。そんな中、マエストロは「あせらなくてもいいよ」とばかりににこやかに微笑みながら山崎さんが楽譜を整えて手を差し出すまでじっと待ってくださいました。そして最後には楽譜を戻し終えた山崎さんからも手が伸び、無事に握手をすることが出来ました。このときは本当にマエストロの優しさに感謝いたしました!
終演後、楽器を片付けてレセプション会場に向かう途中、ホールに寄ってみました。またバラシが続いておりましたが、ホールスタッフの皆様、本当にお世話になりました。

満席だった巨大な3500席の客席もこのように。ちょっと寂しい瞬間ですね。

レセプションでは今回はお客さんとしていらした我らが仲間オケのソプラノ池田理代子さんや、コンサートマスターを務めたN響の「まろ」こと篠崎史紀さんなどにもご挨拶いただき、コンサートの余韻を楽しみました。
二次会にも多くの方々がいらしたのですが、場所がシダックスだったこともあり途中からカラオケ大会(笑)。普段カラオケを歌うのが想像できないような方々の歌声を聴くことができて(しかもみんなうまい!!)、とても楽しく盛り上がりました。写真も多数撮ったのですが公開は自粛させて頂きたいと思います(笑)。
振り返ってみると、今回の企画は演奏者にとっても大きなチャレンジでした。
視覚障害をお持ちの方の場合は譜読みに対するハンディがあるだけでなく、指揮棒を見ることが出来ないわけすから、最初はどうタイミングをとるようにしたら良いか全くわかりませんでした。しかし練習をこなすにつれ、「入り」に関してはマエストロや周りの奏者の呼吸によって自然と一体となることが出来るようになり、さらに最も難しい「伸ばし」に関しても繰り返し練習する中である程度はカウント、最後はやはり空気というかテレパシーというか、自然と通じ合えるようになるものですね。もちろんそれぞれの方の努力があってこそなのですが、音楽って素晴らしい!
知的障害をお持ちの方も同じでした。最初は接し方、指示の出し方など試行錯誤の連続でしたが、結局は何度も隣になり、お話をして心を通じ合わせるようにすると、何の違いもありませんでした。大人と子供、男性と女性、大胆な人と慎重な人、など人によっていろいろな違いはありますが、大きな目で見たらそれは些細なことであるのと同様、それと全く変わりが無いことに気づきました。同じ仲間オケのメンバーとして共に練習し、本番の感動を分かち合うことが出来ました。
このスペシャルメンバーとの関わり合いというのはまた別に書きたいと思います。特にバディを組んだ山崎さんのことはここでは書ききれないので、それも含めて別の回に書く予定です。それほど僕にとっては大切な時間となりました。
いろいろ書くとまとまりがなくなりそうなのでこの辺にしたいと思いますが、今回の「こころコンサート」はいろいろな意味で僕の心に大きく刻まれるコンサートとなりました。このようなコンサートは二度と・・・いやぜひ企画して下さい、NHKさん!(笑)
ちなみにこの「こころコンサート~コバケンとその仲間たちスペシャルオーケストラ2010」は下記の予定でTV放送が決定しております。多くの方々にぜひご覧頂きたいです。
3月20日(土) 15:00~16:30 NHK教育テレビ
なお、上記はドキュメンタリーですが、コンサートそのものの放送も5月に予定されているようです。また決まりましたらお知らせします。
最後に、NHK厚生文化事業団、仲間オケのスタッフ、メンバー、マエストロご夫妻、その他多くの方々にご尽力をいただき、このような素晴らしいコンサートが行えたことに心より感謝申し上げます。そして、コンサートに足をお運びいただいた方々にも感謝しております。、また残念ながら倍率10倍以上というチケット倍率により、ハガキで応募したのにもかかわらずチケットが手に入らなかった方々、本当に申し訳ありません。TV放送をお楽しみ頂けると幸いです。
またこのような機会があることを期待しております。本当にありがとうございました。
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: NHKホール「こころコンサート」 その3
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://masagtir.com/mt/mt-tb.cgi/1041

コメントする