NHKホール「こころコンサート」 ~山崎善信さんと その2
3/6午前10時。レッスン場所は池袋のスタジオ。
駅前で山崎さん親子と待ち合わせし、早速スタジオでレッスン。曲数も多いので要点のみピックアップして進めていきます。オーケストラの練習中は間違って覚えてしまったところを直すのはなかなか大変だったのですが、一緒に歌い、一緒に弾き、わざと間違っているパターンと正解を両方弾いたり、ツィゴイネルワイゼンなどは僕がソロを弾いて(さらってもいないので下手くそですが)それに合わせる練習をしたり、頭打ちと裏打ちが交互に出てくるところは一緒に楽譜を見ながら何度も歌ったり。
今まで数十人の生徒さんを見てきましたが、いろいろな個性の生徒さんがいらっしゃいます。何でも一度で覚えてしまうかわりにこだわり過ぎてなかなか進めなくなる方、細かいことをすっ飛ばして先に行ってしまうためにストップをかけなければならない方、ちょっと厳しめに言ったほうが良い方、褒めて伸びる方、など・・。
善信さんとのレッスンもそういういろいろな生徒さんと何一つ変わるものではありませんでした。一度しっかり身につけたことは確実にこなしますし、逆に間違って覚えたことは正しい弾き方を一緒に繰り返すことで「正しいクセ」をつけてしまうようにして、一つ一つの課題に取り組みました。お人柄が優しくて、とても素直な方なのでむしろとても教えやすかったです。
集中こそが大事だと思ったのでスタジオの予約はあえて一時間にしたのですが、一時間で出来ることは全てやりました。今まで金管につられてトレモロをデタッシェになっていたところなども初めてきちんと楽譜通りに弾けたりして、とてもうれしい瞬間の連続でした。
午後からのリハーサルにはまだ時間があったので、レッスン後に山崎さん親子とお食事をしました。が、お店を決めるまでに一苦労。善信さんはすたすたと次々にお店を回りますがなかなか決まらない、お母様は歩きまわってお疲れで一休み、僕は善信さんについて回っては時々お母様のところに戻り、「まだ決まりませんね~(笑)」とご報告。お母様は「いつもそうなんですよ」と笑っていらっしゃいました。
義信さんはハンバーグのセットだったのですがあっという間に平らげて、デザートも召し上がっていました。お母様いわく「ものすごく食べるんですよ」とのこと。僕もかなり食べる方ですが、完全に負けました(笑)。
こういうことって、単にオーケストラで一緒に演奏するだけではわからないことばかり。善信さんは温厚なのですが、こうと決めると意外と頑固だったり。またそれをお母様が温かく見守っていたり。
お食事中はいろいろなお話をしました。善信さんはとても電車が好き、いわゆる「鉄」なお方なのですが、大阪にお住まいにもかかわらず首都圏の路線をほぼ全て把握していることに驚きました。お母様も電車は完全に義信さん頼りとのことです。
このあたりのことはお母様が善信さんのことを綴った本「希望の音色」にも書かれていたことなのですが、仕事である音楽以外にも趣味を持っていることがとても救いであるとおっしゃっていました。確かに鉄道の話をする義信さんはとても生き生きとしていて楽しそうで、趣味に熱中しすぎて我を忘れる自分とそっくりでありました。
お食事が終わるといざリハーサル会場のN響の練習場へ。長年義信さんを一筋にお育てになったお母様にとって一日中歩きまわることは非常にご負担になると思ったので、できるだけエレベーターやエスカレーターを探すようにしたのですが、いざ探してみると思った以上にみつからない。実に不便なことに驚きました。特に地下鉄は長い階段しかなかったり、そういう視点で歩いてみると東京はなんと過ごしにくい不便なところなんだろうと、改めて気付かされました。
その日のリハーサルでは義信さんのレッスンで修正したところがきちんと直って弾いていて、これまた嬉しかったです。
その3へつづく。
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