NHKホール「こころコンサート」 ~山崎善信さんと その3
3/7 演奏会当日。
善信さんはいろいろな面で余裕があるかなと思っていたのでステージへの入場も特に大丈夫かと思っていたのですが、他のスペシャルメンバーと同じく手を引いて入るように言われました。善信さんは大丈夫なのに・・・と思っていましたが、すぐにいつもとは違う善信さんの様子に気が付きました。いつもならまっすぐ自分の席に向かうのに違う方に向かおうとしてしまったり。緊張している??
善信さんはヴァイオリンやピアノで数多くの舞台をこなし、先日もベートーヴェンのスプリングソナタなどを弾いてきたばかりとのことでした。しかしやはり3500人ものお客様で一杯になったNHKホールはさすがにプレッシャーを感じるのは当然です。
演奏が始まってもやはり善信さんが緊張しているのを感じます。しかし善信さんは自分で出来ることはなるべく自分でおやりになりたい方。変に声をかけて緊張をほぐそうとするよりも、ひたすら善信さんを信じることにしました。
するとどうでしょう。緊張の中でもきちんとお弾きになっているじゃありませんか。レッスンでのポイントもきちんと覚えていて正しい音で弾いている・・・。余計な心配でした。そもそもそれを気にしている自分がミスをしたりする始末(笑)。
演奏終了後、カーテンコールでちょっとしたハプニングがありました。マエストロが下手にお戻りになりながら、1stヴァイオリンの1プルトから順番に表、裏の方と握手をしながらこちらに来られた時のことです。僕たちは4プルだったので3プルの方の握手が終わって、さあ僕と義信さんの番。僕は左手に楽器と弓を持ち、右手をマエストロに伸ばして握手をしながら振り返って「義信さん、マエストロと握手しましょう」と言った時です。善信さんは体が譜面台の上の楽譜に触れてしまい、楽譜が落ちそうになってしましました。
緊張の連続だったステージ、善信さんは片手で楽器と弓を持ち、残った手で必死に楽譜を譜面台の上の戻そうとしますがなかなか上手くいかず、焦って余計に時間がかかってしまいます。僕も手伝おうとしたのですが、両手がふさがったまま。
ああどうしよう。きっとお客様がみな注目しているし、カメラもこちらを向いているかも。マエストロをお待たせてしまって申し訳ないけど、善信さんも心配。ああ困った。この時は義信さんよりも間違いなく僕が動揺していました。この間10秒ほどだったのでしょうか。僕には30秒にも1分にも感じ、とても長い時間に思えました。
しかしここで助けてくださったのがマエストロ。優しく微笑みながら善信さんが楽譜を譜面台に戻し、手を差し出すまでじっと待って下さったのです! 本当にこの時は救われました。そして無事マエストロと善信さんと僕がつながってから、マエストロは次のプルトへと・・。
どれだけのお客様、あるいは演奏者が気づいたかわからない、もしかしたら小さなことだったかもしれませんが、僕にとても温かく貴重な時間となりました。
終演後は多くの方と挨拶をしたりしていて、義信さん、そしてお母様とゆっくりお話する時間もありませんでしたが、貴重な時間を共有できたことは本当に有意義でした。そしてなにより、善信さんとお母様の温かい人柄に接することが出来たことにも感謝しております。
この「こころコンサート」ではTV放送がすでに2回ほど行われており、何人かの方にスポットライトが当てられて全く知らなかったエピソードなどに感動させられました。しかし、義信さんのように全くTVで取り上げられなかった方の一人一人にも様々な苦労やドラマ、エピソードがあったということは忘れてはならないと思います。
この記事は脈絡もないですし、まとまりもないですし、番組のようなドラマ性もないただの日記のような文章ではありますが、善信さんとの「こころコンサート」を一人でも多くの方にも知っていただきたく、お母様の了承を得て見たことや感じたことを書かせていただきました。
善信さんは大阪で新しい仕事についたり、演奏をしたりと今でも活動を続けていらっしゃるそうです。僕もしばらくソロの活動をお休みしていたので(全くゼロではありませんでしたが)、善信さんの活動に刺激を受けたこともありますし、また地元での演奏活動というのを行なっていきたいと思いました。
大阪と東京(正確には埼玉ですが)、離れていても同じ音楽家としてまた同じ舞台に立つ日を夢見て、僕自身も精進していきたいと思います。
なおこの「こころコンサート」は以前放送のドキュメンタリーではなく、演奏会そのもの番組として5/29にNHKのBShiにて10:00~11:30に放送されるようです。弦楽器は人数が多いのでなかなか一人一人をゆっくり写してもらえないのですが、是非私たちの勇姿をご覧頂けるとありがたいです。
また、善信さんは大阪を中心に演奏活動をしていらっしゃいます。「山崎善信」で検索するとコンサートの記事なども出てきます。お近くの方は機会ありましたら是非コンサートに足をお運び頂けると幸いです。
最後に・・・。記事が大変遅くなってしまいましたが、書くことを承認してくださった善信さんのお母様、ありがとうございました。これからの善信さんのご活躍、楽しみにしております。
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