ヴァイオリン: 2008年11月過去記事
さて今回は楽器に加えてカーボン弓と小物もいろいろ見て回りました。
なぜカーボンかといわれると、フェルナンブーコの弓に比べて品質が安定していること、低価格帯のものはコストパフォーマンスが良いこと、そして何よりはじめたばかりの方や子供でも取り扱いが多少安心できること、などがあります。
頑丈というのは大きなメリットで、たとえばヴァイオリンを習いたいとヴァイオリンを持たずに初めていらしたお子さんに、自分のサブ弓を差し出すのは少々勇気がいりますが、そんなときにもカーボンであれば多少安心出来ます。生徒さんが「自分で買ってきます」なんていうときも木よりは当たり外れが少ないというのもあります。
新作楽器以上にここ最近のレベルアップを感じるのが量産楽器。特に10~30万までの楽器の品質には驚かされます。
前は5万前後なら鈴木、10万ちょい出せればピグマリウスで決まりだったのですが、他メーカーも非常に力をつけてきており、一概にそうもいえなくなってきています。
技術と実績のある大手メーカーが優秀な職人のいる中国の工房を選定し、培ったノウハウをしっかりと伝授して楽器製作を依頼することで、質の高い楽器を中国の安い人件費で製作するようになったというのがその理由です。ピグマリウスや鈴木の中級以下のグレード、イーストマン、ヒューメビアンカ、などがそうですが、中国製のコストパフォーマンスは実に高いです。
さて、うちには生徒さんは15人以上いますが、当然ながら自分一人(もしくは夫婦二人)が楽器を購入する回数よりも、複数の生徒さんが楽器を購入する回数の方がずっと多いわけで、ある意味うちでは新作楽器よりも量産楽器は重要です。
10/31~11/2に行われた弦楽器フェアに今年も行ってきました。
今回は国内製作者の楽器のレベルの高さに驚きました。見て良し、弾いて良し、という楽器が多かったです。
個人製作者の楽器は製作~調整まで一人で行うので、プレーヤーとしては製作+調整というのを音で判断できるため評価がしやすいのですが、日本人の製作者、あるいは海外からいらして日本で製作活動をしている製作者の作品というのは以前と比べても非常にハイレベルで、隙のない楽器が多かったです。
もちろん調整の不良や造りでやや不具合がある楽器もありましたが、製作者の方とお話しをするときちんと把握されているケースが多かったですし、「ん?これはちょっと・・」というような楽器は以前よりずっと少なかったです。