2013 発表会 in プラザウエスト

ヴァイオリン

10/12、第2回目となる発表会「Silver-tone Concert “Brillante”」を行いました。

Silver-tone Concert Brillante
「Silver-tone Concert “Brillante”」

去年は”Amabile”だったので今年は”Brillante”にしてみました。

今回の会場はさいたま市桜区のプラザウエストにある「さくらホール」。さくらホールは駅から徒歩では行けない場所にあり、やや交通の便が悪いのですが、一流演奏家のレコーディングにも使われるというとても音響の良いホールです。

一流の演奏家は、一流の楽器、一流のホール、一流の腕と実に恵まれた環境で弾いており良い音になるのも当たり前なわけですが、このうちホールの音響の比重は想像以上に大きく、私も以前初めてリサイタルを行った時、録音を聴いて自分の音に驚いたことがあります。その時は海老名市文化会館の小ホールでしたが、実に音響の素晴らしいホールでした。

ということもあり、今までの会場は音響よりも駅から徒歩圏内など利便性を重視しておりましたが音響の素晴らしいホールで生徒さんたちにその響きを楽しんで頂きたいという思いがあり、今回はようやくそれを実現させることが出来ました。

ホールは両翼に広く、ステージに対して席が同心円上に広がっているレイアウト。東京文化会館の小ホールとちょっと似ているでしょうか。

プラザウエスト さくらホール

さて会場に到着したらまず機材のセッティング。ビデオカメラを専用3脚に設置し、サブのPCMレコーダーを客席の2列目に置き、ホールの録音設備を・・・と思ったらこちらはきちんとスタッフがいて、3点吊りマイクのセッティング、録音レベル調整など全てやって頂き助かりました。

生徒さんのリハ前にちょっとだけ自分たちのリハを行いましたが、いきなり楽器出してウォーミングアップなしで弾くのは大変。半分くらいしか手が動かないというか。本番もおそらくこうなるでしょうが、まあ講師演奏はおまけで主役は生徒さんなのでまあいいかというところです(笑)。

生徒さんのリハではすでに緊張度最高潮の方、比較的リラックスしている方など様々でしたが、とにかくテンポが上がる上がる。客席の前でも後ろでも音が変わりにくい代わりに、ステージ上でもお互いの音が遠く聞こえ、ピアノとのアンサンブルに苦戦して余裕なくなってテンポが上がる、といった具合でした。手を叩いてテンポを落としたり、フレーズの変わり目でテンポを抑えるようにしたりしましたが本番は果たして・・。

なおこのリハ中にホールスタッフに照明の調整をして頂きました。立ち位置がソロ曲とソナタでは少し変わるためスポット位置や範囲をいろいろ注文して調整して頂きました。やはり専門のスタッフがいると心強いです。

写真とビデオはそれぞれ友人にお願いしたのですが、立ち位置に合わせてカメラを移動したり、ビデオのズームと3脚の使いこなしをマスターしたり、カメラのレンズをいろいろ換えたりなど、リハの時間を利用していろいろ工夫してくれました。こういう友人も実に心強いです。

さていよいよ本番。しかし中学生くらいまでの子は本番強いですね。ほぼいつもどおり、もしくは練習よりも上手く弾けたり。いやいやこちらも見習いたいくらいですね。

熱演する生徒の皆さん

しかし大人の方はもう緊張度MAX。舞台袖で聞いていてもいつもと音が違う方が続出。途中で止まったりハプニングもいろいろ・・。大人の部になってからは心配になってずっと舞台袖から舞台を覗いてました。

ちなみに本番は常に舞台袖にいるのですが、譜面台の出し入れや位置合わせ、ピアノの蓋の開け閉め、万が一演奏が止まってパニックになった時のフォローなど、気が抜けませんね。

しかし最後の方の演奏が終わるとようやく一安心。カノンとキラキラ星変奏曲の合奏は心配したのは立ち位置くらいで、演奏は安心して聴くことが出来ました。

全体合奏

合奏が終わると譜面台を片付け、慌ただしく楽器を用意して講師演奏。今回はベリオ作曲の協奏的二重奏曲第2番Op.57-2より第1楽章を演奏しました。マイナーでちょっと派手さに欠ける曲ですが、練習していていろいろ勉強になる曲でした。

講師演奏

終演後は皆に舞台に上がってもらって集合写真を撮影し、私達は撤収の準備をしながら生徒さんたちにはビデオにコメントを残してもらい、退出時間ギリギリになんとか撤収を完了しました。

集合写真

打ち上げには多くの方が参加し、夜遅くまで発表会やヴァイオリンの話で盛り上がりました。すでに話の内容はほとんど覚えていませんが、楽しかったことだけは確かです。

写真の整理も終わり、今はビデオの編集をしていますが、今回録音をホールの3点吊りマイク、客席最前列に置いたPCMレコーダー、客席最後列のビデオカメラと機材の違いこそあれ比較ができて面白かったです。興味深いのが、3点吊りマイクと客席最前列で、演奏者までの距離が近い最前列よりも3点吊りマイクのほうが音が近く、より生々しい音が録れていたことです。

3点吊りマイクは生々しさや演奏の細かいニュアンスも捉えつつホールの残響も程よく入っており、流石はホールの機材でした。客席最前列のPCMレコーダーは少し音が遠く、客席最後列のビデオはマイクの性能も低いですが最も音が遠く、演奏の粗が目立たない代わりに何をやっているかわかりにくい録音でした。最近の高性能PCMレコーダー(今回はローランドのR-05で24bit96kHzで録音)を最前列に置けばホールの設備などなくても良い音で録れると思っておりましたが、良い設備の整ったホール機材には到底及びませんね。ホールのレコーダーはCD-Rなので16bit44.1kHzですが、マイクの性能と位置が全てなのでしょう。

ということで今年の発表会も無事に終えることが出来ました。出演者の皆様、お疲れ様でした。伴奏をして下さった友人でもあるピアニストのS先生、写真やビデオを撮影して下さった友人Kさん、Hさん、ご来場いただいたお客様、そして忙しい私に代わって発表会の準備のほとんどを引き受けてくれた妻、皆さんに心より感謝いたします。ありがとうございました。

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