エヴァピラッツィ・ゴールド レビュー

ヴァイオリン

ピラストロ社ヴァイオリン弦のフラッグシップ、エヴァピラッツィに新製品の「エヴァピラッツィ・ゴールド」というものが出たので、試してみました。

Pirastro Evah Pirazzi Gold

エヴァピラッツィはテンションが高く、ブリリアントな音色とパワーが持ち味ですが、「ゴールド」バージョンでは通常のエヴァピラッツィにオブリガートのような深みのある音色を持たせ、少し落ち着いた音にチューニングされているとのこと。

なお、G線は通常のシルバーに加え、ゴールドも選択できます。このG線ゴールドとは巻線が通常のシルバーでなくなんとゴールド、つまり金。価格もシルバーの倍近くします。ガット弦のオリーブではD線とG線にゴールドが使われており(ゴールドとアルミの交互巻き)、やはり高価です。

ゴールド巻きのG線が高価だったので少し躊躇しましたが、やはり「エヴァピラッツィ・ゴールド」ですからゴールドを選びました。

早速張って弾いてみました。まずはA、D線について。第一印象は「やっぱり強い」。テンションの高さはやはりエヴァ。前回張っていたピーターインフェルドに比べても強いです。じゃあ通常のエヴァピラッツィと同じかというと、あの独特のギラギラ感やブリブリ感が抑えられ、なめらかしっとりという感じ。ノイズ感もエヴァピラッツィよりも少ないです。強さを保ったまま丸くした感じでしょうか。

続いて注目のG線ゴールド。最初は失敗したかと思いました。張った直後はA、D線に比べて大人しすぎるというかパッとしないというか。柔らかくていい音ではあるけど鳴らない感じ。こんなことならムダに高いゴールドにしないでシルバーにすれば良かったか?

Pirastro Evah Pirazzi Gold

しかし2~3日経つと馴染んできたのかすごく良い音になりました。鳴りも悪くないし深みがあって味のある音。オリーブも馴染むまでちょっと時間かかったりしますが、ガットという以外にドミナントなどと何が違うのでしょうね。

エヴァピラッツィ・ゴールドの芯線はナイロン。ああおっしゃらないで。ガットなんて名前だけで夏は狂うし、よくひっくり返るわ、すぐ切れるわ、ろくなことがない。寿命もたっぷりありますよ、どんな練習をする方でも大丈夫。どうぞ弾いてみて下さい。いい音でしょう。余裕の音だ、素材が違いますよ。

E線はステンレス。ステンレスのE線は錆びにくいためアイデアとして良いと思うのですが、今まで見かけたのはヴィジョンチタニウムだけで、ステンレスE線にチタンメッキという耐久性の高い弦ですがひっくり返りやすく好きではありませんでした。今回のエヴァピラッツィ・ゴールドのE線はプレーンのステンレスE線。やや強めで輝きのある音ですが、メッキがないためひっくり返りやすさは普通のスチールと同じ。これで寿命が数倍になってくれたら・・これは良いかも。まあステンレスといっても様々なので汗に対しての錆びにくさはわかりませんけどね。

というわけで、現在のところ気に入っています。エヴァピラッツィ通常版より大人な感じで、かつしっとりシルキー。あとは謳い文句どおりに寿命が長ければ言うことなしです。

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