チタンアジャスター(ヒル型)

ヴァイオリン

楽天市場のバイオリンJPさんより、新しいアジャスターのサンプルが届いたので、早速試してみました。

以前試したPEDIのチタンアジャスターはアームがテールピースの前に張り出すタイプでしたが、今回のものはヒル型と呼ばれる、オーソゾックスなテールピースホールから小さなアームが出ているタイプです。重さはなんと2gだそうで、手にとってもやはり非常に軽いです。

コンパクトですし、ヒルのアジャスターやGotzと良く似ているため、違和感もありません。PEDIの時に弦の取り付け位置が前方であることと、少し高さがあって他の弦とのバランスが悪く見えたのですが、それらは全く感じられず実に自然です。

チタンアジャスター(ヒル型)"
「チタンアジャスター(ヒル型)」

アームというか弦をひっかけるフックの部分ですが、どちらかというとヒルよりもGotzに近いです。ヒルはフック部分の角が立っていてかつ調弦でフックにそって弦が動くので弦のループが良く切れたものですが、このチタンのはGotzと同じく弦が凹んだ一箇所に固定されて動かないため切れにくくなっています。エッジも多少丸められています(PEDIほどではありませんが)。

音ですが、PEDIから換えるとさすがにコンパクトさのメリットか、弾いた感じのダイレクト感があり、ソリッドでしまった音になりました。音量自体もPEDIからさらに上がった感があります。弦と楽器の一体感もました感じがしました。PEDIでは少しフォーカスが甘いと感じる部分が非常に引き締まります。

その反面、少し音がマットというか音が引き締まった分、響きが失われた感じがしました。PEDIの方が倍音豊かに自由に響く感じがします。魂柱を駒に近づけた時の感じとでもいいましょうか、パワーは増したけれど音の面白みは減ったというところです。ただし、本当に魂柱を近づけた時のような弾きにくさは全くありません。

で、私もいろいろ弾き比べてみたのですが、これは完全に好みかなと思います。E線にパワー、ソリッド、引き締まり、ダイレクト感、マット、というイメージがこのヒル型のチタンで、響き、倍音、ブリリアント、豊かさ、などのイメージがPEDIにあります。弾き手の好みや楽器との相性もありそうです。

しかしアジャスターで音はかなり変わるものですね。アジャスターを手で触れながら弾いたりしても音は変わりますが、材質や形状が違うとそれ以上に音に影響が出てくるのは不思議です。重さだけでなく、アジャスターそのものの振動のダンピング性能なども影響するのでしょうかね。

ちなみに私は結局PEDIに戻しました。今はパワーよりも響きと豊かさの方が欲しいので。ただ楽器の状態や使う弦によってはまたヒル型の方に換えるかもしれません。

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