初めてのAT車選び

ランエボから乗り換えるにあたって元々欲しい車などがあればよかったのですが、それがあまりなかったこともあって乗り換えを決めてから車選びをし始めました。

選ぶときの条件で妻から「普通に運転出来る車」というのがあったので、

・AT
・小回りが利く(最小回転半径の上限5.5m)
・大きすぎず運転しやすい

をまず条件に入れ、さらに自分の条件である、

・パワーがある(ランエボから乗り換えて悲しくないくらい)
・安っぽくない
・遮音性が高く車内が静か
・セミAT感覚で操作できるパドルシフト
・形はセダンかハッチバック
・下からモリモリトルクの大排気量NA

を加えて探し始めました。

エンジンですが、パルサーのブーストアップ仕様からランエボに乗り換えた時にパワーは落ちたけど中速トルクの太さが増えてそれなりに満足できたので、今回も何かを失っても他で補えれば良いかなと。今までハイパワーターボと高回転型NAしか乗ったことがなく、アイドリングから強烈にトルクのある車に乗ってみたいと思っておりました。ピークパワーでちょっと落ちてもアイドリングでもどこからでも吹けてくるエンジンなら満足です。トルクモリモリマッチョマンの変態となると大排気量NAしかありません。

で、絞り込んだ結果がこちら。

・トヨタ ブレイドマスター(NA3.5L 280ps FF)
・日産 スカイライン350GT(NA3.5L 315ps FR)
・BMW 130i(NA3.0L 265ps FR)
・VW ゴルフR32(NA3.2L 250ps 4WD)

ブレイドマスターは、オーリスというカローラサイズの車に3.5Lエンジンを載せ、さらに高級車並みの質感と静粛性を持たせたというなんとも面白そうな車。ただそのエンジンをパワーでなく余裕に持っていったため電子制御で出力がかなり絞りこまれていて、またフワフワの足はかなりダルなハンドリングとのこと。サイズが小さいのに最小回転半径5.5mというのもちょっと・・。でも不人気のため非常に割安なのは魅力です。

スカイラインは見た目どうみても高級車。でも乗るとパワーのあるエンジンとシャープなハンドリングで楽しいらしい。高級感がありながら走りも悪くない、しかもパワーはなんと300psオーバー。が、気になるのはボディサイズ。ただでさえ大きいと思っていたランエボからさらに30cmも長い。バックモニターとか付いているのは良いですが大きさは気になるし、最小回転半径5.4mもサイズの割には良いけどやはり少し気になるところ。

輸入車は全く頭になかったのですが、BMWを生徒さん3名に勧められて検討。BMWの130iはコンパクトなボディに3Lのエンジンを搭載し、ハンドリングの評価も高いです。しかもこのクラス唯一のFR。最小回転半径も5.1m。エンジンは今では希少となったストレートシックス。ネックは価格と故障率。サイズの割には高級感があるとはいえ、新車価格500万は高すぎる(=修理代も高い)。またボディがシェイプしているため室内は狭目で視界も悪く車両感覚をつかみにくいかも。

BMWと良く比較されるゴルフもついでに検討。ゴルフも非常にハンドリングの評価が高いですね。新型(ゴルフVI)はまだまだ高いので旧型(ゴルフV)で調べましたが、GTIは2ペダルMTであるDSGは魅力。でもFFもターボもお腹いっぱいです・・・。R32は3.2LのNAでトルクもあり、しかもBMWよりも形状が普通のハッチバックなので見切りもよく実用性も高いです。しかもなんと最小回転半径5.0m。ネックは中古相場が高く割高感があることと4WD。3台続けて4WDになるのはちょっと・・。

更に絞り込みをした結果が、

・日産 スカイライン350GT Type SP(NA3.5L 315ps FR)
スカイライン
スカイライン
Photo by Wikipedia

・BMW 130i(NA3.0L 265ps FR)
BMW 130i
130i

の2台。

スカイラインはパドルシフトとスポーツサス、さらに本革シートを装備するType SPに限定。レザーなんて見かけだけで夏は熱いし、よく滑るわ、すぐひび割れるわ、ろくな事はない、なんて言う人もいますがやっぱり質感はいいです。出来れば4WASとBOSEサウンド付きがあれば・・。

BMWは特に欲しいオプションはなく、それよりは値段を重視。そもそも相場がスカイラインよりもかなり高いですので、多少走行が行っていたりは我慢です。色はMスポーツ限定のルマンブルーが実は安いとのことで(ホワイトやブラックは割高)ブルーに絞ります。

2台のどちらにするかは実車を見ないと決められないほど自分の中では拮抗していたので、毎日のようにカーセンサーnet、goo-net、さらに日産、BMWそれぞれのディーラー中古車情報を探し回り、気になった車をネットで見積もりをとってみました。ちなみに探すのはディーラー系中古車のみ。特に故障が多く修理代がかかると言われるBMWではディーラーでの点検整備に加えて1年保証の認定中古車でないと怖くて手が出せません。

実際見積もりを取り、まず見に行ったのはスカイライン。350GTのTypeSのアクティブステア付き。最初に思ったのは「デカイ!」。全長4.75m、幅1.77mは最近の車の中ではそれほどでもないのですが、自分の中ではパルサーのサイズが基準でランエボは大きかったくらいですからね。妻は前の車がヴィッツ(初代)だったので余計に大きく感じたようです。

中は広くて包まれ感もあり、実に高級感があります。試乗の記事などを見ると値段の割に高級感が、などと書かれていますが前がパルサーとかランエボでしたからね。これがレクサスだとか言われても信じそうなほどハイソに感じました。シートもしっかりした本革で座り心地も良し、ドアを閉めた時の高級感、オーディオの音質(なんとBOSE装着車だった)、バック&サイドモニターが付いたナビシステム、そしてエンジンを回してみた時の軽やかさにもうここで決めてしまいそうになりました。

しかしBMWを見ずに決めるわけにはいきません。引き合いがたくさん来ていてすでに商談中のお客さんもいたようで、営業さんとは車談義で盛り上がり「ぜひ買って欲しい。他のどの車と比較されても自信があります。」と言われました。が、迷っている別の候補がBMWだと伝えるととたんに表情が苦しげになり、「BMW・・ですか・・。BMWが相手だとキツイなあ、僕もBMW好きだしBMWを悪く言えないからなあ・・。」と正直な方でした(笑)。すぐに売れてしまう可能性が高いそうですが、BMWを見てやっぱりスカイラインという時は再度お願いしますということで帰りましたが、その日の夜には売れてしまいました。

ということで今度はBMW。前橋店だったので特急を使っての小旅行。群馬県は決して家が木の上にあったり住民が栃木県との戦いに備えていたりはしませんでしたし、新前橋までは大宮から20時間もかからず1時間半でした(笑)。

お出迎えもやっぱりBMW。さすがBMWディーラーと、外車には触れることすらあまりなかったので早くも胸が高鳴ります。

ディーラーに到着し早速現車拝見。おおお、写真よりも迫力があってカッコイイ。BMWは国産のようにチェーン装着を想定したデザインをしなくて良いため、ノーマルでもまるで車高を落とした車のようにフェンダーとタイヤの隙間がほとんどないのが良いですね。ボディもコンパクトまではいかないけれど大きすぎず、ギュッとシェイプされて引き締まった感じ。

室内もスカイラインに比べたら狭いですが、むしろ広すぎないちょうど良い感じ。内装も豪華さや高級感はありませんがチープでもなくシンプルで落ち着いた印象。ステアリングも太めで経が小さくスポーティー。シートも定評のBMW本革シートで不満なし。これで乗ってみて良かったらこれに決まりかな・・。

「エンジンかけてみてください」の言葉にキーをステアリング左のスペースに挿し、ブレーキ踏みながらスタートボタンをポチッとな。スムーズな音と共にエンジンがかかります。「どうぞ回してみてください」クォーン!「いい音でしょう。余裕の音だ、馬力が違いますよ。」とまで言ったかは記憶にありませんが振動も小さく、音量控えめなのにいい音。ちなみに値段が気に入ったとか言ってそのまま乗り逃げするとカリフォルニア州知事に必ず制裁を受けることになりますのでご注意。

で試乗。動き出しはゆったりですが、下の方のトルクがあるため踏み込むと車が軽い!ステアリングは重めでかなり重厚感があります。高速道路を長距離走る時にこういうどっしりとしたステアリングは非常に楽なのですが、この感触をどこかで・・・ああパルサーGTI-Rでした。ステアリングが重く、おまけにアンダーステアが強い車だったのですが、ノーマル状態ではそのどっしりとしたステアリングも手伝ってか直進安定性が素晴らしかったのを思い出しました。

ボディもすごくしっかりしていて、体感的にはランエボ以上の剛性感。タイヤと足回りがやわらかいので相対的にそう感じるだけかもしれませんが・・。

エンジンはトルクフルで乗りやすいです。フル加速もしてみましたがそこそこパワーありますし、むしろ扱いやすいくらいでこれはこれでいいかもしれません。まあ本当はあり余るパワーをコントロールするのが好きなんですけどね。

ATもDレンジだとマイルドで静かに街乗りするのに良く、スポーツモードでは回転も高くレスポンスも良く面白いです。マニュアルモードでのパドルシフトは左右ともに裏のパドルを引くとアップ、表のパドルを押すとダウンという仕様で、出来れば両方共裏だけにして右がアップ、左がダウンにして欲しかったです。ただ、シフトレバーによる操作は手前がアップ、前に倒すとダウンでこれは良かったです。国産は逆が多いようですが、やっぱり手前がアップがいいです。ゲーセンで慣れた操作ですからね(笑)。

あとはハンドルがよく切れる(笑)。ボディの小さなパルサーが5.2m、ランエボが5.9mだったので、5.1mの130iはものすごくよく曲がるように感じます。

妻も運転してみましたが、アクセル踏んだ時には同じく「あ、軽い!」と言っておりましたし、乗りやすく感じたようです。

ということでほとんど不満もなく(パドルの操作方法くらい)、スカイラインの魅力である高級感、プレミアム感も絶ち切ることができ、こちらに決めました

BMW 130i
130i

購入にあたっては故障の多いBMWということで、ディーラーで入念にチェックをしてもらいました。気になっていたブッシュ類、ウォーターポンプ、ステアリング舵角センサーのチェックをお願いしたところ、一番傷みやすいフロントのスラストブッシュ交換、ステアリング舵角センサーは問題があったらしくリペアをしてもらいました。その他ディーラーの車検点検を受けて消耗品類なども一通り交換してもらいましたが、ディーラー車はこの辺が安心ですね。

ちなみにタイヤについて。130iは標準でランフラットタイヤが付いていますが、幸い今回の車は純正オプションの18インチホイールと共にダンロップのDZ101(F:225/40R18、R:235/40R18)が装着されていてほぼ10分山でラッキーでした。タイヤには妥協をしない自分にとってはセカンドグレードの銘柄にはやや不満ですが、それでも純正のランフラットよりはずっと良いです。ランフラットは重くてサイドが固くグリップも悪いため、ベストモータリングなどでもハンドリングは絶賛されてるのに直線制動テストやサーキットバトルで思ったような成績ではなかったのはタイヤの影響が大きいでしょう。ランフラットだったら速攻で通常タイヤに換えようかとも思ってました。

今の車はホイールも無駄に大きくてタイヤも高いので、中古で購入する際はタイヤの状態も要チェックです。仮に今回の車のタイヤを新品にすると安いタイヤで8~10万、上級グレードで13~15万、純正のランフラットだと15万以上します。タイヤの状態次第では5万10万の価格差などひっくり返ってしまうので、要チェックですね。ちなみに他の検討した130iはランフラットだったり、山が3分しか無かったりで購入後あるいは購入時に10万以上の費用が発生する状態でした。店舗が群馬でお客さんがあまり来ないため安めの価格設定にしていたそうですが、さらにタイヤまで考えるとかなりお得でした。

ちなみにディーラーでの担当の方が親切かつ面白い方で、ほぼ半日かけてゆっくり見たり試乗したり説明を聞いたり出来ました。帰りには群馬名物の焼きまんじゅうのお店に案内していただいたりといろいろお世話になりました。納車前整備でもこちらの面倒な注文を聞いて頂きましたし、良い営業さん&お店との出会いというのも大切ですね。今回は群馬BMW前橋店にお世話になりました。

ランエボの時はあまり乗らず、洗車もせずかわいそうな扱いでしたが、今度はガラスコーティングもしましたし妻も運転出来ますし大事に乗っていきたいと思います。そもそも5年目以降急激に値落ちするBMWですから、リセールを考えずに乗り潰すつもりでいきたいと思います。

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